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河村たかし氏、最後の4年へ 「選挙モンスター」らしからぬ苦戦

 25日投開票の名古屋市長選は、現職の河村たかし氏(72)が、超党派の「包囲網」で挑んだ元市議長の横井利明氏(59)らに競り勝った。知事リコール(解職請求)を巡る署名偽造事件で窮地に立ち「選挙モンスター」らしからぬ苦戦だった。今期限りの勇退を宣告し、「庶民革命の総仕上げ」を目指す4期目。事件の責任論や反市長派が多数の市議会との攻防は必至で、喜びも半ばの門出だ。

おい河村!おみゃぁ、いつになったら総理になるんだ

見えた「選挙モンスター」人気の陰り

「サンキューベリーマッチ。ありがとう」。当選確実の一報を受け、名古屋市東区の事務所駐車場で支援者の前に登場した河村氏は、これまでになく厳しい戦いを制した感謝の思いを満面に表した。

 新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が適用される中、駐車場に特設した会場には近くに住む古くからの支援者らが集まり、グータッチで喜びを分かち合った。

 知事リコールの署名偽造事件が注目される選挙になった。河村氏はリコール運動の「応援団」を自任し、事件発覚で市議会での出馬表明の機を逃し、出遅れた。河村氏は「犯罪は隠れてやるから分からない」と終始釈明したが、街頭演説の際に聴衆から問いただされる場面もあった。

 選挙戦では対立候補から責任を追及されたが、当選確実後、報道陣に対し「自分は全然関係ない。みんなが分かってくれている」と述べた。

 「議員生活協同組合と市民との戦い」。選挙中、こう主張してきた河村氏。対抗馬の横井氏には主要政党がこぞって推薦や支持をし「おれ、そんなに悪いことやったのか」と、街頭演説では冗談交じりに愚痴をこぼした。

 看板政策の市長給与引き下げでは、横井氏が対抗して打ち出した年約545万円にするという公約に「愚民政治だ」と批判を続け、就任以来、年800万円への引き下げを続けてきた実績を強調してきた。選挙の勝因について「市長給与年800万円を貫き、12年で合計3億5000万円を市民に返してきた」と述べた。

 コロナ禍の経済対策では1人2万円の商品券配布を打ち出した横井氏に対し、キャッシュレス決済で買い物額の30%分をポイント還元する事業を11日の告示直前に公約に加えた。1人上限年2万円で4年間とし、「1回だけの商品券より経済効果がある」と対抗心をむき出しにした。

 選挙戦では、対立候補に追い上げられ、「選挙モンスター」の人気に陰りも見えた。「河村劇場」の最後の4年間が始まる。 

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横井氏「本当に残念。おわび申し上げる」

 横井氏は、河村氏の当選確実の一報を受け、名古屋市中区の事務所に姿を見せた。選挙期間中、全面支援を受けた市議会の自民、民主、公明の反市長会派幹部らを前に「私の力不足で落選してしまった。応援してくださった皆さんにお礼とおわびを申し上げる」と述べ、深々と頭を下げた。

 横井氏は自民市議団の一員だった3月16日、出馬表明した。官僚や財団役員、野党の国会議員……。河村氏が知事リコール署名偽造事件で窮地に立つ中、自民市議団は立候補の打診をした相手にことごとく拒否されていた。告示まで1カ月を切り、最後の手段として反市長派の急先鋒(せんぽう)だった横井氏が離党し、超党派で出馬することになった。

 選挙中は、新型コロナウイルス対策をはじめ、さまざまな施策について12年間の現市政を批判。元小学校教諭や現保育園副園長の職歴をもとに「命を軽んずる市政から命を大切にする市政に」を唱え、生活支援の商品券配布や小学校の給食無料化など、わかりやすい公約を並べて河村氏を防戦に追い込んだ。選挙後半戦では河村氏の事件への責任を追及する姿勢を強めたが、コロナ禍で屋内での演説会を極力減らすなどしたため、組織力の利点を生かせなかった。【岡正勝、太田敦子、岡正勝、高井瞳、酒井志帆】